演奏と練習方法

最も一般的なタイプ、ケーンペーット(8対16本)のタイプでの説明です。 ここではポンラン楽団等で他の楽器と合奏するときに標準的に用いられるAmスケール(最も低い音と最も高い音がA)のケーンを想定しています。 お持ちのケーンがGmやFmの場合はAmスケール標準であると想定して読んでください。

音階

左右側面図
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16本の竹管がありますが、このうち二つは同じ音なので全部で15個の音階があります。

低い音から順に、

ラ シ ド レ ミ ファ ソ (重複のソ) ラ シ ド レ ミ ファ ソ ラ

が有りますが、順番通りに並んでいるわけではないく、土地の歌を演奏したり和音を鳴らすのに都合が良いような並びになっています。 この順番がばらばらに感じられて最初にドレミを覚えるのを難しくする原因でもあります。

図の中で「A-」と書いてあるのは低いラ、「A」は真中のラ、「A+」は高いラを表します。 真中のソは二箇所あります。音域は2オクターブ、半音階は有りません。

指の位置

指の位置
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図は上から見たところです。

最初に覚えなければいけないのは、どの音がどの位置にあるか、それと、どの指でどの穴を押さえるかです。ケーンペーットはそれぞれの側に8本の竹管があって、体系的に指の役割を分けています。

ここでは自分から見て最も手前にある管を第1管、一番遠い管を第8管と呼びます。 それぞれの指は以下の指穴を押さえる役目とします。

  1. 親指は第一管だけに使う。(最も手前の管)
  2. 人差し指は第2管、第3管の二本の管に使う。
  3. 中指は第4管、第5管の二本に使う。
  4. 薬指は第6管、第7管の二本に使う。
  5. 小指は第8管だけに使う。

ただこれはあくまでも基本であり、慣れてきたら演奏する曲によってスムースに指が運べるように変えてかまいません。

ドレミを覚える

ヤニを付ける位置 最初の音階の覚えかたです。

  1. まず、「胸」についているヤニを少しむしって(直径5mmぐらい)、 自分から見て右の一番遠い管(第8管)と、その手前の管(第7管)の指穴を塞ぐようにくっつけましょう。 ヤニでふさいだ穴は息を吸っても吐いても鳴りっぱなしの状態になるので、高いミとラの音が常に鳴っていることになります。 ここではこの状態を図のように表すことにします。黒い部分がヤニで塞いだ指穴です。

  2. 指を使わずに息を吐いたり吸ったりしてこれらの音が鳴っていることを確かめましょう。 吹き口から息が洩れないように、そしてゆっくり吐いてゆっくり吸って、長い音が出るようにしましょう。

  3. 次はドからシまで順番に鳴らします。どの音でも穴を二つづつ塞ぎます。 例えば「ド」なら、1オクターブ離れた二つのドが同時に出ている状態です。 ラの場合は右手のみ、ファの場合は左手だけです。図の灰色の部分は指で閉じていることを示しています。 最初は一音ごとに息を「吐いて、吸って、吐いて、吸って」と4回づつならしていきます。

    C ド D レ E ミ F ファ G ソ A ラ B シ
    C D E F G A B
  4. これができたら次は一音毎に2回鳴らします。 ド(吐く、吸う)、レ(吐く、吸う)、ミ(吐く、吸う)、という感じで何周でも慣れるまで練習します。

  5. 最後は一音毎に1回、ド(吐く)、レ(吸う)、ミ(吐く)、と、これも何周でも練習します。 この楽器は、指の位置に慣れるのに結構時間がかかります。 完全に慣れるまでは毎回練習する前にドレミを再確認したほうが良いでしょう。

ヤニで穴を閉じる意味

E+とA+をヤニで閉じておくと、ミとラが鳴りっぱなしなので音の響きはマイナー調になります。 ポンラン楽団で演奏される曲にはAmが非常に多いので、そのような曲ではこのまま演奏してもマッチします。 この鳴らしっぱなしの音はドローンと呼ばる効果で他の民族楽器でも見られますが、ケーンの音の特徴でもあります。 最初はE+にあるヤニが右手薬指ではっきり認識できるので、これを目印にすると良いでしょう。慣れたらE+のヤニは外してもかまいません。

2006/09/06 Last modified.