メロディーに合わせて指が自然に動くようになったけど、これまでの呼吸法(一音づつ吐いて吸って)で演奏していては呼吸が続かない、 または速い曲で呼吸が追いつかない状態になってきます。この段階になったら「息と舌を使う」ことを覚える段階です。
呼吸は曲のある区間で息を吐き続け、またある区間で吸いつづけます。 この時に舌を使うと、吐いているだけ、または吸っているだけでも各音にアクセントをつけることができます。 また息を吐いた時と吸った時の音色は異なるので、出したい音色の為に息の方向を変えることもできます。
舌は上下の歯の間を通る息を遮る為に使います。 この息を遮った瞬間が音のアクセントになります。 ギターで言えば指はフレットを押さえるのと同様音程を決め、舌はピッキングの役目と似ています。 そして息づかいで音の強弱を変え、また曲にうねり(グルーヴ感のようなもの)を出します。 ですから指と舌と息のタイミングによって全く違う音色になります。 完全に息を遮るとピッチカートのような効果となり、逆に全く遮らなければレガートのような効果と考えてもよいでしょう。
理屈では分かっても、舌は思うように動かず、なかなか思ったような音色にならないものです。 舌を使い始めた時が、ケーンは難しい楽器であると、よりいっそう感じる段階でもあり、また表現力がぐっと増す段階でもあります。
2006/07/25 Last modified.